『 統計学という名の魔法の杖 』―看護のための弁証法的統計学入門
本田克也・浅野昌充・神庭純子 著
本書は、看護のための統計学入門として「そもそも統計学とはなにか」、「統計学をもちいるとどのようなことがわかるか」といった基本的な問いにしっかりと、わかりやすく答え、そして統計学を歴史的な発展をふまえて理論的にやさしく説き、特に弁証法を駆使しながら説明することに重点を置いている。
各節の初めには、その節の要点が記してあり、要点をおさえてから読み進めることによって、詳細な理解へと深めることができる。
また、本書の巻末には、統計学の基本用語の解説と、統計学の概説がまとめてある。
■ 現代社白鳳選書 17
■ 第1版/2003年/四六判/272頁
■ 定価 1,600円 (税別) ■ ISBN 978-4-87474-111-5
目次
統計学をなんとしてでもわかりたい看護学生や初心者に本書を -南郷継正
推薦のことば -瀨江千史
【第1編】 統計学への招待
第1章 なぜ統計学なのか
―看護のために統計学を学ぶ意義とは
1) 統計学の効用
2) 看護研究と統計学
第2章 統計学者としてのナイチンゲールを問う
1) 統計学を駆使したナイチンゲール
2) 統計学者としてのナイチンゲール
3) ナイチンゲールはなぜ統計学をもちいたか
第3章 統計学とはどういうものか
1) 統計と統計学
2) 古典的統計学と推測統計学
第4章 統計学を学ぶとはどういうことか
1) 統計学の誕生
2) 統計学を学ぶとは
【第2編】 統計学の基本を説く
第1章 統計学とはなにか
1) 統計学とは
2) 統計学の対象とするもの
第2章 統計学的数値とはなにか
1) 統計学的数値とは
2) 統計学的数値として把握する意味
第3章 統計学的数値はどのようにしたら
導きだせるか
1) 全部のデータを整理し、図表化する
―度数分布とは
2) 正規分布とは
3) 正規分布を把握することの意味
4) 正規分布を決めるための統計学的数値とは
第4章 統計学的数値を比較するとは
1) 母集団相互の比較 ―検定とは
【第3編】 統計学(古典的統計学)から推計学
(推測統計学)へ
第1章 推計学とはどういうものか
1) 統計学という名の魔法の杖
―少ないデータへの適用
第2章 なぜ少ないデータに統計学をもちいることができるのか
1) 正規分布の発見の意義
2) ラプラスの魔法とは
3) t分布の発見
第3章 推計学はどのように築かれたのか
1) 統計学から推計学へ
2) t分布の発見の意義
第4章 少ないデータから全体を描くとは
1) 少ないデータから全体を描くとは
【第4編】 推計学の基本を説く
第1章 推計学とはなにか
1) 推計学とは
2) 標本集団と母集団
第2章 推計学の基本的概念を説く
1) 仮説・検定・有意性・自由度とは
第3章 データをとるとはどういうことか
1) 無作為抽出とは
2) データを正しくとるためには
第4章 推計学に潜む「魔法のような落とし穴」とは
1) データの偏り
2) なぜデータが偏ったのか
3) データはどのようにとるべきか
【第5編】 統計学を看護研究へ応用するために
第1章 統計学の具体を説く
1) 対象を数値化するとは
2) 対象を比較するには
3) 対象を比較する方法
第2章 多変量解析への道
1) 多変量解析の基礎を具体から説く
第3章 看護研究に統計学をどのように応用するか
1) 統計学をもちいた研究事例
【最終編】 統計学とはなにかを学問的に問う
第1章 統計学とはなにか
第2章 統計学の歴史を問う
―正規分布はいかにして発見されたか
第3章 最先端の統計学を駆使するためには
統計学の基礎的用語解説
本書に登場する統計学者概説