『 なんごう つぐまさが説く 看護学科・心理学科学生への“夢”講義(2)』―看護と武道の認識論
南郷継正 著
本書には、自分のことはもとより、自分のこと(問題)より他人のこと(問題)により深く関わっていくことを専門に人生を切り開いていくはずの、看護学科・心理学科の学生たち(さらに武道への道を志す若者)に的を絞り、青春時代の人生問題・社会問題を解決して生きていけるような能力(頭脳活動=アタマとココロのはたらき)が育つことを願って、頭脳活動を中心とした人間とはなにかを50年以上にわたって研究してきた著者が、認識論の立場から夢の活動についてはもちろんのこと、頭の働きをより見事にする学び方について体系的に説いてある。
本シリーズは、季刊 『綜合看護』 に連載中のものを単行本としていくものである。
■現代社白鳳選書 26
【第2巻】 第1版/2007年/240頁/定価 1,600円 (税別)
四六判/ISBN 978-4-87474-128-3
目次
【 第1編 】 初学者に説く「弁証法とはなにか」
第1章 「弁証法とはなにか」を弁証法的に説く
第1節 弁証法とはなにか
第2節 弁証法の対象は世界全体(森羅万象)である
第3節 弁証法の起源は古代ギリシャの学問形成過程にある
第4節 弁証法という名は歴史的な意味をもっている
第5節 弁証法と弁証術の違いを説く
第2章 弁証法の学びかたを説く
第1節 弁証法に必要な自然・社会・精神の学び
第2節 弁証法の具体的な学びかた
【 第2編 】 弁証法的に説く「夢とはなにか」
第1章 「いのちの歴史」から説く夢をみる実力への過程
第1節 頭脳活動の本体は脳全体である
第2節 再び、看護学生からの手紙について
第3節 「夢とはなにか」の問いかたを問う
第4節 魚類から両生類への脳の実体としての実力の発展
第5節 サル(猿類)における問いかけ的認識の芽ばえ
第6節 夢は睡眠中に脳が勝手に描いている像である
第2章 夢にかかわって「労働とはなにか」を問う
第1節 労働の結果は哲学用語「疎外」として説かれている
第2節 人間は労働することによって必ず「疎外」される存在である
第3節 労働とは目的をもって対象にはたらきかける行為である
第3章 夢へといたる認識の発展過程を説く
第1節 夢は脳が勝手に描いている認識=像の一つである
第2節 認識=像形成の原点は外界と五感器官にある
第3節 認識=像は脳のなかで創りかえられる
第4節 人間は教育されて外界を勝手気ままに描く実力をつける
【 第3編 】 看護の事例から「夢とはなにか」を説く
第1章 看護にかかわっての「痛みとはなにか」を説く
第1節 再び、夢にうなされる事例を説く
第2節 痛みは神経の重要なはたらきの一つである
第3節 運動させなければ治らない神経の痛みがある
第4節 患者の痛みを見事にやわらげた看護の技とは
第2章 神経と夢のかかわりを説く
第1節 神経のはたらきが夢を描かせる事例
第2節 看護の視点から、夢にうなされる事例を読み解く
【 第4編 】 学問的に説く「夢とはなにか」序論
第1章 夢を学問的に解明するとは
第1節 唯物論の立場からしか夢は解明できない
第2節 赤ちゃんの夜泣きの構造と夢にうなされる構造
第3節 人間にとって夢は必然性である
第4節 問いかけ的認識の誕生が夢の大本である
第5節 人間の神経のはたらきは昼間と夜間とで異なる
第6節 学問書は体系的に説かなければならない
第7節 夢に関する学問的でない書物の一例
第2章 夢にかかわる人間の生理構造を説く
第1節 人間は労働によって特殊な生理構造をもつにいたる
第2節 過程的構造の解明に弁証法は必須である
第3節 人間は立つことにより脳のはたらきに変化が生じる
第4節 人間は労働により質的に違った像を形成するにいたる
第5節 人間にとっての睡眠とはなにか
第6節 呼吸とはなにかから解く「睡眠時無呼吸症候群」
【 第5編 】 看護への夢を実現するために
第1章 看護に重要なこととはなにか
第1節 すべてを看護の問題として
第2節 観念的二重化の実力が看護の見事な実力となる
第2章 「看護技術論」の柱を説く
第1節 そもそも技とはなにか
第2節 看護技術は実体・認識への技である