『 なんごう つぐまさが説く 看護学科・心理学科学生への“夢”講義(1)』―看護と武道の認識論

南郷継正 著

本書には、自分のことはもとより、自分のこと(問題)より他人のこと(問題)により深く関わっていくことを専門に人生を切り開いていくはずの、看護学科・心理学科の学生たち(さらに武道への道を志す若者)に的を絞り、青春時代の人生問題・社会問題を解決して生きていけるような能力(頭脳活動=アタマとココロのはたらき)が育つことを願って、頭脳活動を中心とした人間とはなにかを50年以上にわたって研究してきた著者が、認識論の立場から夢の活動についてはもちろんのこと、頭の働きをより見事にする学び方について体系的に説いてある。

本シリーズは、季刊 『綜合看護』 に連載中のものを単行本としていくものである。

■現代社白鳳選書 19
【第1巻】  第1版/2006年/224頁/定価 1,600円 (税別)
四六判/ISBN 978-4-87474-121-4

目次

【 第1編 】 看護に必要な認識論入門

第1章 「看護と武道の認識論」の関係を説く

第1節 読者への挨拶
第2節 看護学科・心理学科学生からの質問
第3節 なぜ「看護と武道の認識論」なのか
第4節 認識論とはなにか、心理学との関係
第5節 看護に関わる四つの質問・相談

第2章 認識論と認識学の違いを説く

第1節 認識論から説く「思う」と「わかる」の違い
第2節 認識論と認識学はどう違うのか
第3節 認識学とはなにか、その三大柱を説く

第3章 認識論の基本を説く

第1節 「夢」と認識論はどう関わるか
第2節 認識とは脳細胞が描く像である
第3節 講義録「認識は五感情像である」

第4章 看護を学ぶのに必要な覚悟を説く

第1節 三十九歳からの論文の書きかたの学び
第2節 憧れた看護と大学での学びの落差
第3節 看護を専門として学ぶために必要な覚悟

【 第2編 】 看護に必要な「認識と言語の理論」

第1章 看護における観念的二重化を説く

第1節 看護に認識論は必須である
第2節 相手の立場にたつことの必要性
第3節 相手の立場にたつことの困難性
第4節 看護はなぜ相手の立場にたたなければならないか
第5節 看護でなぜ相手の立場にたつことが難しいか
第6節 心理学は看護には役にたたない
第7節 「看護とは」がわかって初めて相手の立場にたてる
第8節 「人間とはなにか」をわかるための学び
第9節 看護における観念的二重化の実力

第2章 看護におけるコミュニケーションを説く

第1節 コミュニケーションとはなにか
第2節 看護におけるコミュニケーションの特殊性
第3節 そもそも言語とはなにか
第4節 言語は人類の労働が誕生させた

【 第3編 】 学問的に説く「認識と言語の理論」

第1章 人間の認識の生生・生成発展を説く

第1節 認識から言語への過程の解明が大事である
第2節 人間の認識と動物の認識との違い
第3節 人間の認識は社会的に創られる
第4節 人間の認識の生生・生成発展

第2章 認識から言語への過程を説く

第1節 無限の認識を一つの言語に集約する
第2節 言語は社会関係のなかで教育される
第3節 「わかる」ことと「言葉にする」ことは別である
第4節 認識=像の成立過程
第5節 認識=像はすべて個性的に生生・生成する
第6節 個性像を共通像にするために言語は必要である
第7節 「わかる」ために必要な観念的二重化の実力
第8節 言語化できる像を描くための実力
特別節 『育児の認識学』の書評と「『十七歳』の心は分からない」(朝日新聞)

【 第4編 】 看護に関わっての「夢とはなにか」

第1章 「夢とはなにか」の導入部分を説く

第1節 夢にうなされる事例
第2節 夢は唯物論的認識論からしか解けない
第3節 夢は人間の認識の生生かつ生成発展からしか説(解)けない
第4節 人間が夢をみることの原点は労働にあり

【 第5編 】 看護に必要な弁証法入門

第1章 弁証法を学ばない学生の実力を説く

第1節 秀才の受験国語的実力
第2節 看護学科学生からの手紙
第3節 弁証法の実力がないと“夢”講義は理解できない
第4節 弁証法は看護の事実で学ばなければならない

第2章 弁証法を学んだ学生の実力を説く

第1節 鈍才の弁証法の学びによる実力
第2節 心理学科学生からの手紙
第3節 弁証法の基本の学びの実際