看護小論集

『看護小論集』―健康とは病気とは看護とは

F.ナイチンゲール 著
薄井坦子・小玉香津子・田村真・山本利江・和住淑子・小南吉彦 訳

ナイチンゲールは 『看護覚え書』 を、一般女性向け、 看護師向け、 労働者向けと三種類に書き分けて、よいケアが実践されることを願っただけでなく、よいケアを提供するには訓練が必要であること、訓練されたナースがよい仕事をするには組織管理的な条件が重要であること、さらに人々の生活の場に出向いて個別なケアを展開することの重要性に至るまで、実態を調査して具体的な制度化を提言するなど、数多くの論考をまとめている。

これらのなかの主な30篇は 『ナイチンゲール著作集』(全3巻)に収載されているが、本書は このうち第2巻に収載されている、看護に直接論及した小論考7編を抜き出して改訳し、それに同書の編訳当時に入手していなかった論考2編を加えて編集翻訳されたものである。 (訳者まえがき要約)

■ 第1版/2003年/菊判/並製本/296頁
■ 定価:1,700円 (税別) ■ ISBN:978-4-87474-106-1

目次

1.病人の看護 (1882年)
病人の看護 ―医学博士リチャード・クウェイン准男爵の編集による 「内科学辞典」 から転載した論文

1.換気 ―暖気と涼気
2.病室または病棟の健康
3.からだの清潔。手指の衛生など
4.食べ物と飲み物 (食餌)
5.回復を うながすための手だて
6.患者の観察
その他のなすべきこと
夜勤看護
休暇
看護婦はどうあるべきか

2.病人の看護と健康を守る看護 (1893年)
病人の看護と健康を守る看護 ―高名な女性たちによって書かれた慈善事業に関する会議論文集叢書のうちの「女性の使命」 から転載された論文

補遺
地域看護
地域看護婦の養成
保健指導員に対する講義要旨
健康講義の要旨

3.病院監督から貴婦人委員会への季刊報告 (1853~4年)
病院監督から貴婦人委員会への季刊報告 ―ハーレイ街病院の看護管理

監督者からの季刊報告書 (1853年11月14日)
第2回季刊報告書 (1854年2月20日)
第3回季刊報告書 (1854年5月15日)
第4回季刊報告書 (1854年8月7日)

4.貧しい病人のための看護 (1876年)
病んで貧しい人々のための訓練された看護―1876年4月14日号「タイムズ紙」より転載した小冊子

地域看護婦はいかにあるべきか
地域看護婦は何をなすべきか

5.病院と患者 (1880年)

6.看護婦の訓練 (1882年)
看護婦の訓練 ―医学博士リチャード・クウェイン准男爵の編集による 「内科学辞典」 から転載した論文

1.看護婦にとってよい訓練のための学校の要件
2.すべての見習生のための課程
3.訓練することを訓練する
4.定期的試験、学習の進み具合や試験の定期的記録
5.訓練のための学校の職員訓練についての一般的考察

7.町や村での健康教育 (1894年)
町や村での健康教育 ―農村の衛生

1.現在の公衆衛生の機構はどうなっているか
2.農村衛生の現状
3.それに関して女性たちは何をなすべきか
4.家庭の健康をめぐる訓練教育および活動の企画についてのいくつかの草案
5.女性指導者と田舎家の母親たちとのあいだの個人的な知り合い関係および友好関係とはどのようなことをさすか
結語

8.救貧院病院における看護 (1867年)
救貧院病院における貧しい病人のために看護婦を供給し、訓練し、組織する問題についての提言

1.現時点における訓練看護婦の供給源
2.訓練看護婦の供給を促進する方法
3.病院管理と効果的な看護との関係
4.効果的な看護のために必要な病院の構造上の配備
要約
付録1.見習生として入学を志願する者が記入する書式
付録2.ナイチンゲール基金による病院看護婦訓練に関する規則
付録2.a 契約
付録3.「ナイチンゲール基金」による見習生の職務
付録4.「ナイチンゲール基金」による見習生の時間表
付録5.総評
付録Ⅰ.就業期間中の看護婦の個人的特性および技能

9.[付録] フロレンス・ナイチンゲールの経歴書 (1851年)