『 科学的な看護実践とは何か(下) 』―看護教育のめざすもの

薄井坦子 講演集

本書は、「看護教育」について述べられた薄井坦子教授の講演をまとめたものである。

看護婦にはどのような能力が要求されるか、また現代の看護教育は何をめざすべきか、そして科学的な看護教育とはどうあるべきか…。

自身の体験や思考のプロセスを具体的に語るなかで、教育の本来的な構造をあきらかにし、看護の頭脳(あたま)づくり、看護の技(わざ)づくりについて述べられている。

■ 現代社白鳳選書 4
■ 改訂第2版/1988年/四六判/208頁
■ 定価 1,300円 (税別) ■ ISBN 978-4-87474-050-7

目次

■1.これからの看護に期待される看護婦の育成

(1) 看護をどうとらえるか
(2) 看護婦にどのような能力が要求されるか
(3) 看護の能力を高めていくには何が必要か
(4) 「性差」について
(5) 「生物体」と「生活体」
(6) 看護学における人間論のレベル
(7) 学生の認識をどう訓練するか
(8) 何にでも興味を持って自己の認識を鍛える
(9) 日常生活の規制はどこから出てくるか
(10) 学校教育と現任教育の分担
(11) 対立概念をとらえて考える

■2.現代の看護教育について

(1) 看護教育に求められている共通な性質
(2) 教育の本来的な構造
(3) ナイチンゲールと看護教育
(4) 看護の心 ―看護をはかるものさし
(5) 看護に高い目標を
(6) 看護学の目指すべき方向 ―「生活研究」の必要性
(7) 看護教育のレベルに合った要求水準を
(8) 「生活研究」の具体例
(9) 看護に高い誇りを

■3.看護学における客観主義的偏向の克服 〔その1〕

(1) 人間の面白さ、看護の生々しさ、すべてをくるめた看護学を
(2) 対象を見つめ、その謎を解こうとする姿勢を
(3) 関わりを見つめるとはどう見ることか
(4) 対象の構造に分け入って問題を解く
(5) 看護過程を浮きぼりにする
(6) 意識的に取り組むことの大切さ
(7) 精神面のことでも証拠を示せる方法論を

■4.看護学における客観主義的偏向の克服 〔その2〕

(1) 人間の心の触れ合いを土台に据えた看護理論を
(2) 「看護的な感じ方」と「看護的な行動」
(3) 看護の頭脳(あたま)づくり
(4) 看護の技づくり
(5) 自らの意志としての看護