『実践を創る 新・KOMIチャートシステム』―ナイチンゲールKOMIケア理論にもとづく「看護過程」の展開

金井一薫 著 看護における判断や実践は、観察をとおして得られる事実や、研究をとおして得られる知見がその根拠となっていなければ、科学的であるとは言えないでしょう。 また看護実践は、看護の原理をふまえたうえで、適切な看護過程の展開をとおして実現してこそ、その専門性を発揮できると言えるでしょう。 「KOMIチャートシステム」 は、ナイチンゲールの看護思想とKOMIケア理論(ナイチンゲールの看護の原理をベースにして著者が構築したケア理論)にもとづいた、ケアのための優れた記録ツールです。 この KOMIチャートシステム に沿って対象を見つめ(観察)、看護ケアのあり方を考え(判断)、さらにその結果の適否を判断(評価)しながら看護過程を形づくっていけば、その実践は必ず 看護の原理にもとづいた根拠ある実践になるはずです。 また、そのように設計・開発されているのが、このKOMIチャートシステムなのです。 ■ 第1版/2013年/A4判/104頁 ■ 定価 1,500円 (税別) ■ ISBN 978-4-87474-155-9

目次

■第1章 看護の実践方法論としての 「新・KOMI チャートシステム」 の概要 1. 看護の実践方法論は看護の目的論と対象論に依拠している 2. 「看護過程」 における第1段階: 観察・アセスメント 3. アセスメント段階で “病気を見つめる看護の視点” を取り入れる 4. 「看護過程」 における課題の抽出から具体的実践の記録まで ■第2章 「新・KOMI チャートシステム」 に包含される記録用紙とその活用法 1. 第1段階: 観察・アセスメントのための記録用紙 2. 第2段階: 課題の整理と到達目標 3. 第3段階: 援助計画の立案 4. 第4段階: 実践の記録と評価 5. 日々の業務を看護の視点で展開するために役立つ 「KOMI ケアリングシート」 ■第3章 「新・KOMI レーダーチャート」 の活用法 1. 「新・KOMI レーダーチャート」 の図柄 2. 「新・KOMI レーダーチャート」 判定時の留意点 3. 「新・KOMI レーダーチャート」 16項目の判定のポイント (1) 【 呼吸 】 項目についての判定のポイント (2) 【 循環 】 項目についての判定のポイント (3) 【 体温 】 項目についての判定のポイント (4) 【 咀嚼・嚥下 】 項目についての判定のポイント (5) 【 栄養 】 項目についての判定のポイント (6) 【 排便 】 項目についての判定のポイント (7) 【 排尿 】 項目についての判定のポイント (8) 【 上肢の自由 】 項目についての判定のポイント (9) 【 起居・移動 】 項目についての判定のポイント (10)【 皮膚の状態 】 項目についての判定のポイント (11)【 聴覚 】 項目についての判定のポイント (12)【 視覚 】 項目についての判定のポイント (13)【 快・不快 】 項目についての判定のポイント (14)【 気分・感情 】 項目についての判定のポイント (15)【 意思疎通 】 項目についての判定のポイント (16)【 知的活動 】 項目についての判定のポイント ■第4章 「新・KOMI チャート」 の活用法 1. 「新・KOMI チャート」 誕生の背景と特徴 (1) 誕生の経緯と改編のポイント (2) KOMI チャートの図柄変更 (3) 「新・KOMI チャート」 の構成要素 (4) 「新・KOMI チャート」 を支える基本的な視点とその機能 (5) 「新・KOMI チャート」 マーク時の手引き 2. 「新・KOMI チャート」 の具体的な判定項目と留意点 (1) 【 呼吸する 】 についての留意事項 (2) 【 食べる 】 についての留意事項 (3) 【 排泄する 】 についての留意事項 (4) 【 動く 】 についての留意事項 (5) 【 眠る 】 についての留意事項 (6) 【 身体を清潔に保つ 】 についての留意事項 (7) 【 衣服の着脱と清潔 】 についての留意事項 (8) 【 身だしなみを整える 】 についての留意事項 (9) 【 伝える・会話する 】 についての留意事項 (10)【 性に関わること 】 についての留意事項 (11)【 役割 (有用感) を持つ 】 についての留意事項 (12)【 変化を創り出す 】 についての留意事項 (13)【 生活における小管理 】 についての留意事項 (14)【 家計 (金銭) を管理する 】 についての留意事項 (15)【 健康を管理する 】 についての留意事項 ■第5章 「新・KOMI の認知症スケール」 と “スタンダードケアプラン” 1. 「新・KOMI の認知症スケール」 とは何か (1) 研究目的 (2) 研究対象 (3) 研究方法と経過 (4) 倫理的配慮 (5) 研究結果と考察 2. スタンダードケアプラン立案の試み (1) スタンダードケアプラン策定の大原則 (2) 各グループのスタンダードケアプラン 3. 認知症のケアプラン作成時の手順と実際 4. 「新・KOMI の認知症スケール」 の価値と今後への期待 ■第6章 「新・KOMI チャートシステム」 を活用した具体的事例の展開