『 看護のための「いのちの歴史」の物語 』

本田克也・加藤幸信・浅野昌充・神庭純子 著

看護の対象は生きている人間であり、「人間とは何か」「いのちとは何か」がわからなければ、みごとな看護にはならない。

本書は、看護の対象である人間とはどのような存在かを理解するために、「いのち」の起源を地球の誕生まで遡って、生命が人間にまで進化してきた過程を、「いのちの歴史」として学べるように構成されている。

「人間とはどのような存在か」をわかるためには、つまり人間を全体的にとらえらえて見ることができるようになるためには、生命が人間にまで至ったプロセス(=歴史性)をふまえて人間を理解することが大切であり、それを看護に結びつく形で、しっかりと学ぶことができるのが 「いのちの歴史」 なのである。
生命が誕生してから 35億年にもわたる、壮大な 「いのちの歴史」を学ぶことによって、きっと目の前に新たな看護の世界が見えてくることであろう。

■現代社白鳳選書20
■ 第1版/2007年/四六判/272頁
■ 定価 1,700円 (税別) ■ ISBN 978-4-87474-127-6

目次

第1章 プロローグ 「いのちの歴史」の学びは、人間の謎を解く

第1節 「いのちの歴史」を学んでみませんか
第2節 「いのちの歴史」を学ぶと何が見えてくるのだろう
第3節 人間は「いのちの歴史」をくり返しながら生きている
第4節 看護一般論における「いのち」とは
第5節 ナイチンゲールの「生命の法則」とは
第6節 見事な看護師になるために本書を!

第2章 大宇宙の中での、私たちの太陽系はどのようなものだろう

第1節 私たちの太陽系の誕生
第2節 地球誕生の特殊性を見てみよう
第3節 地球の化学的変化が生命現象へと変化した

第3章 「いのちの形成(生命現象)」は地球現象として始まった

第1節 地球は月により特殊な惑星に変化した
第2節 地球に起こった「特異現象」とは
第3節 最初の「いのちの形成(生命現象)」の中身は何だろう
第4節 「いのちの形成(生命現象)」の構造を見てみよう

第4章 「いのちの形成(生命現象)」過程の謎を解く

第1節 「いのち」の起源の問題は学問上の大問題であった
第2節 大哲学者ゼノンの問題との類似性を説くと
第3節 「いのち」の起源の謎解きは、ゼノンレベルの実力を要する
第4節 「いのちの形成(生命現象)」を生んだ地球の大異変とは何か
第5節 「いのちの形成(生命現象)」からその実体化への過程(1)
第6節 「いのちの形成(生命現象)」からその実体化への過程(2)
第7節 「いのちの形成(生命現象)」の謎解きは論理と事実の統一として(1)
第8節 「いのちの形成(生命現象)」の謎解きは論理と事実の統一として(2)
第9節 「いのちの形成(生命現象)」過程を学問的に解くことはなぜ必要か
第10節 「いのちの形成(生命現象)」を生んだ地球の二重性を知ろう
第11節 「いのちの形成(生命現象)」過程を具体的にイメージしてみよう

第5章 「生命体の歴史」は自らが生みだした水の発展とともに

第1節 「いのちの形成(生命現象)」のあり方が地球に水を生みだした
第2節 「生命体の歴史」とは単細胞から人間までの進化の歴史である
第3節 生命体の進化がたどった各段階を簡単に見てみよう
第4節 単細胞段階の誕生の意義を知っておこう
第5節 単細胞段階からカイメン段階へ、さらにクラゲ段階へ
第6節 魚類段階の誕生の意義をまじめに知ろう
第7節 「系統樹」を「生命体の歴史」としてとらえ返すと・・・

第6章 「生命体の歴史」は運動形態の発展として理解しよう

第1節 細胞膜を形成し単細胞段階へ
第2節 大地(岩石)に固着するカイメン段階へ
第3節 海水に浮遊するクラゲ段階へ
第4節 海流の中を泳ぐ魚類段階へ
第5節 海でも陸でも生きられる両生類段階へ
第6節 生命体も地球もこの頃は可塑性に富んでいた

第7章 運動形態を担う生命体の構造の発展を知ろう

第1節 カイメン段階からクラゲ段階への運動形態の発展
第2節 強烈な海流を泳ぎきる魚類段階の運動形態
第3節 柔軟性と硬質性を合わせもった魚類段階の生命体
第4節 魚類段階における運動器官・代謝器官・統括器官の分化
第5節 人間の体の構造の理解に必要な魚類段階

第8章 地球の激変に対応して、両生類段階から哺乳類段階へ

第1節 生命体は大地とのつながりで生き続ける
第2節 両生類段階は海から陸への過渡期の生命体として
第3節 爬虫類は生命体の進化過程での傍流である
第4節 進化の本流となった哺乳類段階の意義をわかろう

第9章 哺乳類段階の誕生(1) ―卵生から胎生への過程的構造

第1節 卵生から胎生への謎は地球の大変化にある
第2節 卵生とは系統発生をくり返すための仕組みである
第3節 水中の卵生と陸上の卵生との大きな違いを知ろう
第4節 個体発生は環境とともに系統発生をくり返す
第5節 哺乳類段階が誕生するまでの地球の変化を見てみよう
第6節 哺乳類段階が誕生した地球の大激変とは何だろう
第7節 環境の激変に対応した胎生の仕組みの見事さとは

第10章 哺乳類段階の誕生(2) ―胎生・授乳の必要性

第1節 卵生は地球環境との相互浸透のあり方である
第2節 哺乳類段階は胎生によって系統発生をくり返す
第3節 地球の大激変に適合するための胎生・授乳とは何か
第4節 人間が人間として育つための母乳の大切さを知ろう
第5節 地球の大変動は生命体との相互浸透によって起きた
第6節 大変動の中での哺乳類段階への発展の意義とは何か

第11章 哺乳類段階でのサル(猿類)への道

第1節 哺乳類段階は植物との相互浸透で大きく発展した
第2節 哺乳類はなぜ木に登ってサルになったのか
第3節 生命体の体の構造の発展過程をくり返し説く
第4節 哺乳類の代謝・運動・統括器官の一体としての発展
第5節 「いのちの歴史」から解く狂牛病の謎とは

第12章 サルへの道は植物の発展とともに

第1節 目まぐるしい環境の変転によってサルへ
第2節 なぜサルは木に登ることができるようになったのか
第3節 陸上における動物と植物の助けあっての発展を見てみよう
第4節 サルは草から木への成長とともに木に登る実力をつけた

第13章 ここまでの「いのちの歴史」をふり返ると

第1節 次章の理解のために、前章をまでをふり返る
第2節 地球の物質現象として始まった「いのちの形成」
第3節 単細胞段階の誕生から魚類段階まで
第4節 人間の体の原基形態的構造をもつ魚類段階
第5節 哺乳類の特殊運動形態としてサルへ
第6節 サルから人類への道

第14章 サルから人類への過程 ―脳の実体的・機能的発展とは何か

第1節 木に登ることで分化した手と足が脳の発達をうながした
第2節 実体的に発達した脳の像形成の変化とは何か
第3節 脳の「問いかけ的認識」の芽ばえへの過程を見よう
第4節 樹上から降りたサルはヒト(人類)への過程をたどる
第5節 ヒトから人間への過程は労働によって発達した認識によって

第15章 エピローグ 「いのちの歴史」の学びを看護に生かすには

第1節 「いのちの歴史」は「こころの歴史」へと続く
第2節 看護には弁証法の学びが必須である