『南郷継正 武道哲学 著作・講義全集(第10巻)』―武道哲学各論Ⅱ
『全集』は、武道哲学・武道科学創始者である南郷氏の人生の集大成として発刊されるものである。
南郷氏は、「武道講義」を日本文化の高みに置くことを願って、学問中の学問である哲学という学問レベルで説くために、学問としての哲学をほぼ完成させたヘーゲルを目標に研鑽を重ねた結果、ヘーゲルのような観念論の立場ではなく、唯物論の立場で、哲学を現実的な学問に近づけるという目標の高みにほぼ達することができた。
すべての書の題名に「武道」という文字が冠してあるが、内容は単なる武道論・技術論・上達論・教育論等々の展開にとどまらず、それ以上に、武道の後に続く「哲学」や「科学」を学問レベルで説くことにも主眼が置かれている。
【第10巻】
限定版/2013年/368頁/定価 4,500円 (税別)
A5判/上製本(ケース入)/ISBN 978-4-87474-153-5
目次
■ 『全集』 の読者への挨拶 10
■ 武道哲学 武道と認識の理論 2
【 序の編 】 『武道哲学』 の道再び
序の章1 わが学的研鑽の道程を後から来る人に
(1) わが生涯を賭けた目的とは何か
(2) 『武道の理論』 とはいかなる書か
(3) 体系的認識論構築の道とわが 「学的研究会」 について説く
(4) 学としての弁証法の個別科学への適用とは
(5) 現代の哲学者はなぜ唯物論的弁証法を分かる実力がないのか
(6) 弁証法から 「学一般」 へは認識論を軸として
序の章2 『武道哲学』 は栄光の未来のために
(1) 『武道哲学』 は栄光の未来のために
(2) 真の指導者への過程とは
(3) 修行過程は魂の問題として
(4) 修行過程における模範解答の恐さ
(5) 修行過程と柔道家三船久藏の言葉
序の章3 刀法と柔法の世界の文化の高み
(1) 再び 「人生、意気に感ず」 を問う
(2) 刀法と柔法の世界の文化の高み
(3) 武道空手の世界に第一級の文化を
(4) 拳法・合気道の世界に一言
(付) 柔道復興への提言
【 第1編 】 わが 「学一般」 措定の道程
第1章 哲学と武道との思想的連関
(1) 哲学と武道との思想的連関
(2) わが哲学研鑽と現代の哲学者
(3) 哲学史への学びと個別科学
(4) 学的レベルから哲学を問う
第2章 わが 「学一般」 措定の構造
(1) わが 「学一般」 措定の構造
(2) 「学一般」 と武道論の関係
(3) 弁証法の基本書とその学び
(4) 事物・事象における一般性・個別性現象の構造
第3章 現代教育に欠けたるもの
(1) 「現代教育に欠けたるもの」 再び
(2) 教育=文化遺産習得の構造
(3) 学的レベルから医学を問う
(4) 学的レベルの医学への道
第4章 学的弁証法、その学びの困難性
(1) 学的弁証法、その学びの困難性
(2) 弁証法の学びと 『武道哲学』
(3) 弁証法に関わる 「基本書」 の条件
(4) 弁証法は物理学等の個別科学レベルに非ず
【 第2編 】 思春期の論理を学的に問う
第1章 思春期 「認識・実体」 の論理構造 1
(1) 受験勉強を認識論から問う
(2) 小・中学生の認識・実体の関係
(3) 即物実体論とは何か
(4) 思春期 (中学生期) の論理構造
第2章 思春期 「認識・実体」 の論理構造 2
(1) 「思春期実体の論理構造」 再び
(2) わが武道の科学化の道程
(3) 科学とは何か
(4) 思春期五感覚器官の量質転化化
第3章 思春期五感覚器官の論理構造
(1) 読者に、関係各位に
(2) 思春期五感覚器官の論理構造
(3) 思春期五感覚器官成長の二重構造
(4) 個性的すぎる感覚成長の害
(5) 認識力による五感覚器官の統括
【 第3編 】 高校生に説く特別 「武道哲学」
第1章 高校生版 特別 「武道哲学」
(1) 高校生に説く 「武道哲学」
(2) 高校生に説く 「哲学とは何か」
(3) 高校生に説く 「類は友を呼ぶ」 とは
(4) 高校生に説く 「相互浸透と量質転化」 の法則とは
第2章 高校生版 特別 「武道哲学」 2
(1) わが 「学的研究会」 とは
(2) 「思春期成長の認識生理の構造」 (南鄕継正講義)
(3) 思春期における五感情像の特性
(4) 頭脳 (脳細胞) による統括の構造
■ 武道哲学講義 6
東京大学学生に語る 「 学問への道 」
―平成16年、夏期東京大学合宿講義
第1章 真の東京大学の学的復権に向かって、何をいかに学ぶべきか
第1節 弁証法と武道空手の学びの同一性について
第2節 農学とは何か ―歴史における農業の起こり
第3節 武術の歴史上の登場について
第4節 論理的な頭脳を創るための学びを説く
第5節 日本のリーダーとなるために
第2章 東大生に贈る、見事な頭脳になるための 「学問としての弁証法」
第1節 学問一般としての哲学を説く
第2節 弁証法とは何か
第3節 人間の頭脳は創り創られた実力によって活動範囲が確定される
第4節 東京大学生になるまでに創り創られてきた中身の欠陥とは何か
第5節 頭脳を創り変えるためには
第3章 弁証法・認識論・論理学とは何か
第1節 一流の人間になるためになすべきこと
第2節 現今の大学教育に欠けたるもの
第3節 弁証法とは何か、どう学べばよいのか
第4節 認識論とは何か
第5節 論理学とは何か