『 なんごう つぐまさが説く 看護学科・心理学科学生への“夢”講義(5)』―看護と武道の認識論
南郷継正 著
本書には、自分のことはもとより、自分のこと(問題)より他人のこと(問題)により深く関わっていくことを専門に人生を切り開いていくはずの、看護学科・心理学科の学生たち(さらに武道への道を志す若者)に的を絞り、青春時代の人生問題・社会問題を解決して生きていけるような能力(頭脳活動=アタマとココロのはたらき)が育つことを願って、頭脳活動を中心とした人間とはなにかを50年以上にわたって研究してきた著者が、認識論の立場から夢の活動についてはもちろんのこと、頭の働きをより見事にする学び方について体系的に説いてある。
本シリーズは、季刊 『綜合看護』 に連載中のものを単行本としていくものである。
■現代社白鳳選書 36
【第5巻】 第1版/2012年/248頁/定価 1,600円 (税別)
四六判/ISBN 978-4-87474-149-8
目次
【 第1編 】 認識的 「技」 の論理の過程的構造を説く
第1章 「“夢”講義」 の学びによる認識の重層化の構造
第1節 人生に関わる夢 ―「文武両道から文武統一への道の完成化へ」
第2節 「“夢”講義」 連載の意義と書物の意義
第3節 「連載」 による認識の形成 ―弁証法の三法則の多重の連関とその構造
第4節 頭脳の働きを見事に ―『“夢”講義』 の学びを
第5節 技の論理から上達の構造・技化の過程性を説く
第2章 哲学の歴史の発展形態をふまえて技の論理を説く(解く)とは
第1節 現代の受験勉強による弊害を克服するために何が必要か
第2節 「直立二足歩行」 に関する研究者の見解とその限界
第3節 技の論理から 「歩く」 の構造を説く
第4節 人間の思考・思惟能力の発展は哲学の歴史の発展形態の中に存在する
第5節 学問レベルでの認識の研究とは何か ―認識論・認識学の一般性の構造
第3章 サルからヒトへの進化をもたらす歴史的過程を説く
第1節 「直立二足歩行」 への過程(1) ―サルが樹上生活が可能となった理由
第2節 「直立二足歩行」 への過程(2) ―サルの樹上生活が可能となった理由
第3節 サルの樹上生活と認識の形成とその発展との関連性
第4節 サルからヒトへの歴史性をふまえて人間の育ちを育てる大切さ
【 第2編 】 弁証法性の学びの過程的構造を説く
第1章 「“夢”講義」 の学びは弁証法性の学びを基本とする
第1節 直接的同一性の論理を武道と看護から説く
第2節 人類の文化としての武道論・武術論
第2章 「“夢”講義」 の論理展開の構造に学ぶ
第1節 学問用語 ―「普遍性・共通性・一般性・必然性・偶然性」 とは
第2節 偶然の必然性を説く
第3節 『“夢”講義』 全三巻に何を学ぶか ―ある読者の論評文
【 第3編 】 「技の創出」 の過程的構造を説く
第1章 学問構築のための認識形成の過程を説く
第1節 思春期・青春期の生活と高き志
第2節 武道空手と弁証法を 「対立物の相互浸透」 として学ぶことの意義
第3節 志高く武道空手を専門に 「弁証法」 を学んだ学生時代
第4節 武道空手の修練には弁証法を、弁証法の向上には武道空手の研鑽を
第5節 武道空手と弁証法、相対的独立と相互浸透、そして対立物の統一
第2章 技の創出における弁証法性を説く
第1節 技の創出の二重構造と 「這う」 ことの二重構造とは
第2節 いのちの歴史性から説く 「這う」 ことの過程的構造・構造的過程
第3節 弁証法の学びの多重性・多重構造 ―くりかえし学ぶことの意義とは
第4節 人間体一般としての生成発展の過程的構造性の運動
第5節 運動選手の敗因を人間体としての弁証法性から説く
第3章 「いのちの歴史」 から技の創出過程を説く
第1節 特殊哺乳類としてのサルの誕生の過程を 「いのちの歴史」 に尋ねる
第2節 サルからヒトへの進化過程を辿ることによる運動形態の変容
第3節 運動形態の変容がもたらした認識の誕生の原基形態
第4節 技を創る過程にはサルからヒトへの歴史的過程性が含まれている
第4章 「動物体」 から 「人間体」 への過程を説く
第1節 「歩く」 に至る過程性 ―「這う」 と 「立つ」 の二重構造
第2節 動物体から人間体へ ―「這う・立つ・歩く」 の過程的構造とは
第3節 動物体と人間体 ―人間体としての生理構造の持つ歪み
第4節 動物体をふまえた人間体としての生理構造の理解が上達を導く
【 第4編 】 頭脳活動の養成の過程的過程を説く
第1章 自らの専門分野の実践を通して学ぶとは
第1節 頭脳活動の実力養成に関わる原稿執筆のあり方
第2節 舞い込んできた 「幸運」
第3節 「“夢”講義」 の学びを障害児教育に ―ある読者の学びの過程(1)
第2章 人間体の構造性の論理を具体性から学ぶ
第1節 人間体としての構造と動物体としての構造の二重構造とは
第2節 「“夢”講義」 の学びを看護に活かすには ―ある読者の学びの過程(2)
第3節 「這う」 ことで創られる 「立つ・歩く」 とは ―ある読者の学びの過程(3)
【 第5編 】 人間体と運動体の過程性の構造を説く
第1章 人間体とは何か ―人間体と運動体の区別と連関を説く
第1節 武道・武術とは何か ―武道空手の修業・修行・学修の歴史性
第2節 「人間体と柔道体・マラソン体・卓球体」 の過程性の構造
第3節 人間体と運動体の過程性の構造を知らない指導者の大欠陥
第4節 運動体の過程性には人間体を阻害する構造が存在する
第2章 「“夢”講義」 の体系性と弁証法的実力を説く
第1節 「“夢”講義 ―看護と武道の認識論」 を説いてきている理由
第2節 『“夢”講義』 第四巻の体系 ―「脳とは何か」 から 「哲学の起源」へ
第3節 認識の成立の過程性から論理学の成立過程
第4節 弁証法の過程的構造を説く必然性
第3章 人間体養成の過程を具体的実践から問う
第1節 身体障害児教育の実践から ―ある読者の学びの過程(4)
第2節 「いのちの歴史」 の一般性をふまえて身体障害者教育を説く
第3節 身体障害者の 「仰向け」 の運動性の意義 ―ある読者の学びの過程(5)