『看護学と医学(上)』―学問としての看護学の成立
瀨江千史 著
著者は数十年前、専門分野である医学にいまだ科学的学問体系がなく、医学よりレベルが低いと思っていた看護学に科学的学問体系があることがわかり大きな衝撃を受け、それ以来、科学的医学体系の創出を志している。
ここ20年来の看護学、看護実践には目をみはるものがある。
それは著者が学恩を受けた薄井坦子氏による科学的看護学体系の創出とさらなる深化・発展であるが、この学問的高みを理解できていない看護界の
現状を知り、学恩に報いるためにも、医学に身を置く立場から、その学問的高みを看護の内部の方々にわかってもらえるように、『綜合看護』誌上に「看護学と医学を問う」と題して連載した。
本書は、それをわかりやすくまとめたものである。
■ 第1版/1997年/四六判/上製本/280頁
■ 定価 2,300円 (税別) ■ ISBN 978-4-87474-095-8
目次
【第1編】 看護学と医学の現状
■第1章 科学的学問体系のある看護学とない医学
■第2章 看護学と医学の歴史的過程を追う
第1節 歴史的事実
第2節 看護学と医学の特殊性
第3節 看護学と医学の学問的な大逆転とは何か
【第2編】 看護学体系と医学体系
■第1章 科学的学問体系とは何か
第1節 学問体系とは何か
第2節 科学とは何か
■第2章 科学的学問体系としての看護学
第1節 『科学的看護論』にみる本質論と構造論
第2節 『科学的看護論』は科学的学問体系である
■第3章 科学的学問体系のない医学
第1節 医学の現状
第2節 澤瀉久敬著『医学概論』を問う
■第4章 科学的看護学体系と哲学的医学体系
【第3編】 看護学体系と看護実践
■第1章 科学とは何か、技術とは何か
■第2章 科学的看護学体系と看護実践
第1節 看護実践を導く看護観と方法論
第2節 方法論創出の過程的構造
■第3章 看護学発展の過程的構造
第1節 看護学体系の構造論の発展
第2節 看護学発展の原動力とは何か